インフルエンザワクチンの供給が例年より遅れており、各地の医療機関でインフルエンザワクチンの不足が生じているとのニュースが世間を賑わせています。
なぜこのような事態になってしまったのでしょうか?
またインフルエンザワクチンの不足は解消されるのでしょうか?
今回は、インフルエンザワクチンが不足している原因や、解消の見込みなどについてまとめていきます。
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今シーズンのインフルエンザワクチンの製造量は、過去5年間で最も少ない!?

2017年のインフルエンザワクチンの製造量が過去5年間で最も少ないと厚生労働省が9月に発表しました。

また、東京保険医協会の調査では6割以上の医師がインフルエンザワクチンが「不足」と回答。(内科・小児科の医師3,510人に10月中旬から下旬にアンケートしたもの)

去年はワクチンの製造量と実際に使った量を比べると充分に足りていましたが、今年の製造量の見込みは2528万本で、去年の使用量と比べて114万本も足りないとされていました。(現在、製造のペースをあげているようです。)

医療機関では、予約を取れない状況も続いて、問い合わせがあっても確約することもできなくなっているといいます。
入荷が制限されているため、ワクチンを十分確保できず、予約の受付を止めざるを得ない状況だそう。
今期分の全量をまとめて納入するのではなく、流通量に合わせて分割して納入し、なるべく全体に行き渡るようにしているためで、11月中は全体として流通量が少ないとされます。流通が安定してくる12月も接種希望者が増え、不足気味になる可能性があります。
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インフルエンザワクチン不足の原因は?徹底解説


当初予定していたワクチン株の増殖が悪く、3割くらい収量が少ないということでワクチン株を変更したことが、今回のワクチン不足の原因です。

WHO(世界保健機関)が1月から2月に次の冬に流行しそうなインフルエンザの型を10種類ほど発表します。その後、厚生労働省がその中から4つを選び、ワクチン製造メーカーに依頼してインフルエンザワクチンを製造しています。

インフルエンザのウイルスには「A型香港、ソ連型」などの種類があります。
ワクチンは流行しそうなA型2つとB型2つのあわせて4種類のウイルスに効果があるものを毎年作っているのです。

A香港型は、他に比べてワクチンの効果が製造段階で低くなってしまっていたのですが、効果が低くならないA香港型のウイルスが新たに日本で見つかりました。
そこで今回、この新たに見つかったウイルスを使ってワクチンをつくることになったのですが、ウイルスがうまく増えないことが分かったのです。

そのため、前年より約30%も減ってしまうことが分かりました。このままだとワクチンが大幅に不足して、接種出来ない人が相次ぐなど、社会的な混乱の恐れが高くなります。
検討の結果、新しいウイルスを使うことを断念し、A香港型は前シーズンと同じウイルスでワクチンを作るように切り替えました。

より効果のあるワクチンを導入しようとしましたが、こうした方針変更の影響で、1ヶ月ほど製造スケジュールが遅れてしまったのです。

メーカーが試験的に製造したときは問題がなかったのですが、大量生産をしたところウイルスが増えないという現象が起きました。過去にこうした例はなく、予測は困難だったといいます。
今後、同じようにならないようにするため、原因の解明が求められます。
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インフルエンザワクチンはいつまでに打ったらいいの?

インフルエンザワクチンは効果の持続期間は5ヶ月程度です。
接種は生後6ヶ月~13歳未満は2回、13歳以上の人は1回が基本。
ワクチンで抗体ができはじめるのは接種後2週間程度経ってからなので、流行する12月くらいまでに接種した方がいいとされます。
毎年接種が必要とされるのは、効果の持続期間は5ヶ月程度と短いことと、昨シーズンと今シーズンのワクチン内容が異なるためです。

子供の場合など2回打つこともありますが、10月に1回目、11月に2回目を打つのがオススメです。
早めに打って、3月まで効果がもつのか?という心配から1回目は早めに、2回目は遅めに、と間隔を開けて予防接種を受けるご家族もいます。
しかし、ワクチンの免疫効果を考えると、1回目と2回目の間隔は1ヶ月くらいを目安にしてください。

インフルエンザワクチンの不足はこれから解消するの?


厚生労働省は、ワクチンの使い方を効率的にすることで、使う量を減らすとしています。
対策として、「1回または2回」としている13歳以上の任意接種について、原則1回接種とするように周知していく、としています。
大人も2回接種した方が効果は上がると考えている人も少なくないようですが、1回接種でも2回接種でも効果は変わらないというデータが出ています。
例外として、ワクチンの効果が出にくい体質の人や、医師が必要と判断した場合は、2回打つこともあります。

昨シーズンは、シーズン終盤でワクチンの返品もあったことから、必要以上に多量に予約・注文しないことを要請しています。
さらに前述した13歳以上の人は1回接種とすれば、大きな不足にはならないと言われています。
ワクチンメーカーは製造のペースを上げるなど供給の前倒しをしているそうです。
11月に発表された見通しでは、供給が追いつかない状況は避けられそうになってきています。
最終的な生産量は当初の見通しより100万本増えることも明らかになりました。
ただ、不足はしないといっても、1月頃は需要と供給が接近すると思われます。

全国をまとめた数字の上では足りていても、一部地域で不足するということが起きないようにしなければなりません。厚生労働省は、自治体や業者などに対して、地域によってワクチンが偏在しないよう配慮するよう求めています。

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インフルエンザワクチンは効果なし?

インフルエンザワクチンは多くの人が毎年打っていますが、2016~2017年のインフルエンザ流行時に予防接種の効果があったのはわずか5人に1人とされています。

2016~2017年はH3N2型(A型香港型)の変異型インフルエンザが流行しました。
鶏卵を利用して大量生産されたインフルエンザワクチンはこの変異型に対応しておらず、予防接種の効果があった割合はわずか20~30%にとどまることになりました。

インフルエンザワクチンは、不活化させたインフルエンザ病原体の表面にあるタンパクを浄化したもの。これを摂取することで、体内に免疫ができ、新たな病原体が侵入した際に対抗できるようにします。
病原体が変異すると、ワクチンがそれに応じて変化しなければ効果が失われてしまいます。H3N2型の病原体は鶏卵ではうまく育たず、もし今シーズンもH3N2型が流行すれば予防が困難になるかもしれません。

インフルエンザワクチンを受ける上で、私たちに必要なこととは?


13歳以上は原則1回接種であることを知っておくこと、不足が心配だからといって、複数の医療機関にワクチン接種の予約を入れるようなことはしない、といった心がけが必要です。
さらに、ワクチンを接種した場合でも、インフルエンザに感染しないということにはなりません。
うがいや手洗いといった基本的なインフルエンザ対策をしっかりして、身を守るようにしましょう。

まとめ

インフルエンザワクチンの不足のニュースは耳にしていましたが、幸い私たち家族は、予約が取れないといったことはなく、受けることができました。
ワクチンの製造量も増え大きな混乱にはならないようですが、中には、予約が取れなくて遠くの病院に行くことになった人もいるといいます。
今後、このような事態にならないように、原因究明をしてもらいたいところです。
ですが、ワクチンばかりを頼りにしてもいけません。インフルエンザに負けない体作りや、手洗い、うがいなどの予防対策を日頃から心掛けたいですね。
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